昨日は酒を控えたので爽やかな目覚め。監査の仕事もいよいよ大詰めになってきた。午前中は積み残し事項を重点的にフォロー。まあ、わずか5日で、支店のすべての会計処理について確認できるわけではないが、深刻な問題が無さそうなのは助かる。
昼は、会社近くの「東亜食堂」でうどん定食。ウドンのダシは関西風味でなかなか結構。隣のテーブルで韓国人の女性が食べていた赤いダシのキムチウドンもなかなか美味そうだった。午後からは監査室長と一緒に現地会計士事務所を訪問。日韓租税条約改正に伴う会計処理の変更点などについて話を聞く。
その後、夜の8時まで仕事。腹が減った監査長が、突然、焼肉が食べたいと言い出したので、初日とは別の焼肉の店に行くことに。ここは店員の愛想はいいが、ちょっと値段が高し。焼肉食いながら、ビールそして焼酎をストレートでグイグイ。焼肉の後の石焼ビビンパはたいへんに結構。
その後、ソウル支店のT君と連れ立って2次会。T君は携帯から店に電話して、「お金無いから1人7万ウォン」、「ダメダメお金無い、じゃあ8万ウォン」と値切り交渉をしている。タクシー乗って20分の店に入ると日本人だらけである。
日本語をしゃべる韓国人女性が横について、カラオケが置いてある。日本人が海外に仕事で駐在すると、需要と供給の関係で、きまってこういう店がどこにもできるなあ。こちらの習慣に従って、ウイスキーを小さなグラスで、焼酎のようにストレートで飲む。これはたいへんに効いた。12時過ぎまで飲んでカラオケ歌って、タクシーでホテルまで。疲れた。
2000/08/11 ソウル5日目
監査報告会用の原稿に手を入れて、最終の打ち合わせ。お昼は、また東亜食堂でキムチうどんを食したいと思ってたが、本日朝から合流した本社の監査役が、焼肉を食したいとおっしゃる。この2日酔いで昼飯に焼肉はキビシイが、慣れない土地なんで、自分だけ別行動ができないのが海外出張の辛さ。
しかたなしに、支店長、監査室長などと監査役のお供をして、「五六島」という焼肉屋へ。しかし、身体が慣れてきたか、キムチはちゃんと食えるのである。監査の仕事は終了し、あとは報告会だけなので、ビールで軽く乾杯。さすがに焼肉も飽きたが、食事に出てきた味噌汁がたいへんに美味い。これだけ食べに来てもいいくらいだ。
午後1時から、支店の幹部社員を集めての監査報告会。3時までかかって終了。仕事から解放されてやれやれ。今日は泊まって土曜日の昼の便で帰国するのだが、今からでは観光するほどの時間も無く、中途ハンパなのがちょっとなあ。
ホテルに歩いて戻って着替えてから、南大門市場などをブラブラ。それにしても、積み上げてある豚足の山は、グロテスクなもんである。魚屋には、丸ごと皮を剥いだウナギのような物体が並んでるのだが、あれは何だろうか。大阪は鶴橋の市場にも、ああいうモノが積んであった記憶があるが、謎である。
夕食は、T君が残業帰りによく寄るという、大衆食堂で、ブテチゲなる鍋を食す。ソーセージやスパム・ミートと思しいコマギレに野菜とインスタントラーメン入れて辛いスープで煮るのだが、このスープの味がたいへん結構。店は韓国人で一杯。「ブテ」というのは「部隊」のことだそうだが、朝鮮戦争でアメリカ軍と合流した韓国戦士の野戦料理から来てるのだろうか。
ビール飲んで焼酎飲んでるうちに、支店長と副支店長が、「こんな食事でいいとは、安上がりな出張者だなあ」と感心しながら合流。またまた2次会に行くことに。今夜は支店長が携帯で、また店に電話して値切っている。店に行く前に値切り倒すのは、こちらでは一般的な風習なのだろうか。
タクシーで河向こうまで30分余り。今度の店は昨日より一段と高級で、ピアノがあって、バイオリンの演奏なんぞが流れている。横についた韓国人女性に尋ねると、ここは韓国人だけの客はお断りの日本人専用クラブだという。なんだかちょっと不快な話だ。しかし、開店間もないという店の前には、某大手商社韓国支店からの大きな花輪があり、夜も更けてくると日本の酔っぱらったオッサンだらけ。こういう場所に来るのも、かえって疲れる。
結局タクシーでホテルまで戻ったのは夜の1時近く。
2000/08/12 ソウル最終日 日本帰国
いよいよ日本帰国。同行のN氏、A氏とは11時にホテルのロビーで待ち合わせてたのだが、10時過ぎまで寝ていた。結局、ソウル滞在中は仕事して飯食って酒飲んでホテルに戻るだけの生活だったなあ。
空港まではリムジンバスで5000ウォン。JAL便は20分ばかり遅れて出発。およそ2時間弱で成田到着。とても近い隣国。しかし、駐在員と雑談すると、そこで暮らしてゆくのは、かなり大変そうである。5日ばかりの出張ならまったく大丈夫なんだけど。京成スカイライナーと地下鉄を乗り継いで帰宅したのは5時半。本日はのんびり休養だ。
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昨日の夜は、海鮮しゃぶしゃぶの店で夕食。よくダシが効いたスープで魚介類をさっと煮て食べる。スパイシーなタレもなかなか美味である。OBラガー飲んで焼酎飲んで歓談。仕上げは特製韓国風釜飯。これも実に結構。しかし焼酎を飲みすぎたか、えらく酩酊してしまった。10時過ぎにホテルに戻る。せっかくの記録なんで死力を尽くして日記をアップしたが、猿人に更新報告を忘れていた。ははは。
昨日から釜山経由で韓国入りした監査室長が合流している。本日はロビーに8時集合だったが、2日酔いで起床が遅れてアタフタ。頭が痛く、胃は重たい。ソルマックはこっちでは売ってないだろうなあ。
午前中は仕事もスローペース。やればやるほどだんだんと泥沼のような気がしてきたが、どこで割りきって結論を出すか。悩むところだ。
そうこうしているうちに昼休み。昼飯は支店長、副支店長に連れられて、サンゲタンの専門店に。若ドリの腹にモチ米やら朝鮮人参を詰め込んで仕立てたスープだが、席に着くと同時に、注文無しで、煮えたぎっている一人用の鍋がドンと前に置かれる。吉野家より早いサービス。テーブルに置かれた岩塩で自分で塩加減を決めるのだが、このスープが最高に美味いのである。韓国では夏のスタミナ補給食とのことだが、2日酔いにも効き目があるような気がする。
食事の後はまたドトールにて、ちょっと薄いアイスコーヒー飲んでしばし雑談。韓国の店で出てくる灰皿は、どこに行っても、ぬらしたティッシュが引いてある。灰が飛び散らないし、消すのも洗うのも容易。なかなかの優れもののアイデアだ。
会社に戻るため、ソウルの街を歩いてると、女性同士で手をつないで歩いてる2人連れがあちこちで目に付く。別にヘンな関係ではなく、韓国では女性の仲良し同士は、よく手をつないで歩くのだという。仲良きことは美しき哉。武者小路実篤談。アラブ諸国では、男同士で手をつないで歩いてるらしいが、そっちのほうはあんまり美しくなかろう。
そうそう、うちの支店が入居しているビルのエレベーターだが、なんだかドアの閉るタイミングが日本と違うような気がする。ボタンを押して、一番端のが到着した場合、あっ、来た来たと歩いて行って乗りこもうとすると、もうすでにドアが閉ろうとするわけである。早過ぎるっちゅうねん。日本人のペースのほうがスローなんだろうか。
7時過ぎまで仕事。夜は監査室長を含めて総勢5名で、またまたT君に連れられて韓国食堂へ。毎晩来ているこのへんの飲食街の、赤い灯青い灯のネオンは、何かに似てると思ってたが、思い出した。日本のパチンコ屋のイルミネーションである。そう思って見ると、一文字も分からないが、なんだか懐かしいなあ。
韓国風お好み焼きとタコの唐辛子炒めを頼んでビールと焼酎。さすがに今日は控えめに。最後に石焼ビビンパで〆。石の器の熱しかたが足りず、もっと熱くてオコゲができないとダメだと監査室長はゴキゲン悪いが、ま、これでも十分うまい。
9時半に終了。4名でまたタクシー乗ってヒルトンまで。昨日、今日と乗って分かったが、やはり遠回りのルートしかないようだ。しかし、本日のタクシー代は3400ウォン。なんか、ずいぶん違う。やはり初日はボラれたのか。<日本円でたった60円の違いだっちゅうの。
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2000/08/08 ソウル2日目
昨日の夜は、焼肉屋を出て、3人でホテルまでタクシー。しかし、いわゆる「模範タクシー」に乗ったにもかかわらず、なんだか知らない道を、公園を一周するように大回してゆく。どうもずいぶんと遠回りのような気がするのだが、一言もハングルが分からないと、なんとなく英語で確認するのも気後れがするわけで、それがちょっともどかしい。
もっとも、初乗り3000ウォンに対して払ったのは4000ウォン。日本円で400円である。日本円にしたらわずか100円の差に過ぎないから、ま、ボラれたってこともないか。本日、T君に聞いてもると、南大門あたりは左折禁止があったりして、そのせいで大回りしたのではないかとのこと。もっとも彼も韓国では運転してないから、よく分からないというところがなんとも頼りない話だが。
さて、本日はソウル2日目。7時半に起床。朝は結構涼しくて、東京より過ごしやすい気がする。昨夜は食べ過ぎたので朝食は抜き。ぼんやりとTVで流れるCNNニュースを眺める。英語の通じない外国では、CNNを眺めるとなんだかホッとするのが不思議。ドイツでもイタリアでも、ホテルでCNNを見てたよなあ。
CNNは、SkyPerfecTVで、いつでも見ることができるのだが、日本にいる時はなぜか見る気がしないのが、これまた不思議。
8時20分にロビーに集合。同行の2名と待ち合わせて支店までブラブラと歩く。途中で、デジタルカメラで今朝の南大門の写真なんぞ撮ってみた。
本日からいよいよ帳簿の照査。総勘定元帳と伝票をひっくり返してあれこれ調べて実に消耗。外国の事務所に来ると、つまらないことが面白いもんで、すべてハングル表記の、コピー機の操作表示を見て頭をひねったり。
昼飯はT君の案内で、近くの韓国食堂に。カルビタンにご飯を入れて食す。あっさりした味でなかなか美味なり。キムチも心配したほど辛いわけでなく、日本のよりずっとウマ味がある。これなら毎回食べても全然大丈夫だ。韓国の食材は、日本と比べて、野菜が日本より力があるような気がする。食後に、日本から進出したというドトール・コーヒーに行ってアイスコーヒー。2800ウォンと、日本よりちょっと値段が高いが、頼むとちゃんと席にまで持ってくるのが違う。しかし、どうも日本のよりかなり薄くて苦味も少ない。
T君によると、韓国のコーヒーは、いわゆるアメリカンよりもっと薄く、コーヒー風味のお湯といった風らしいが、ここはまだずいぶんと日本風に濃いほうなんだという。ま、いろいろと違うもんだ。
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2000/08/07 韓国初日。 ソウルでひと仕事完了
本日は6時起床。シャワー浴びて最後の荷造り。着替えのほうはたいした量ではないのだが、監査用の事前書類が厚さにして5センチほどあるのでズシリと重い。必要なものだけを取捨選択すればよかったのだが、事前にそこまで検討する時間無し。とりあえず全部持っていってむこうで不要なものは捨てようという、いつもの通り、
7時27分上野発の京成スカイライナーで成田まで。この電車に乗るのは2度目だが、線路がボロなのか車両がボロなのか、(ま、多分その両方だと思うが)相変わらず、横揺れがひどく、まるで小学生のように乗り物酔いしそうだ。
同行する2名とは、JALのカウンタ前で待ち合わせる話だったが、空港は夏休み客でごったがえしている。早々と合流はあきらめて先に荷物をチェックイン。出発ゲートのところで待ってると5分ばかりして2人が無事到着。
向かいのゲートから出発する飛行機はグァム行きだ。成田空港は、ラフな格好で海外に遊びに行く人でごったがえしてるのに、スーツにネクタイしめて、これからソウルに飛んで仕事とは、なんだか恨めしい気がするなあ。
ソウルへは1時間程度かと思ってたが、機内の放送では、2時間弱かかるらしい。もっとも東京・大阪でも1時間はかかるのだから当たり前と言えば当たり前だ。離陸後ほどなく昼飯が出て、ちょっとウトウトしてるあいだにソウルに到着してしまった。着陸寸前に窓を見ると、横なぐりの雨。遠くには稲光が光るのまで見える。なんだか幸先悪い韓国初上陸だ。
イミグレーションは何の問題もなく通過。しかし、税関の出口に立ってる係員は、亀井静香自民党政調会長そっくりの人相悪いオッサン。通関申告書を渡す乗客を、実にイヤな目つきでジロジロと人を頭の先から足の先まで眺めまわすわけである。
私のひとり前の男性は、日本人だったのだが、なにやらハングルで通間申告書を指差してあれこれ聞かれ立ち往生。これは困ったなと思ってたが、私の番がくると、ロクに申告書も見ずに、アゴをしゃくって「行ってよし」と合図する。どうにも横柄なオッサンである。到着いきなり韓国の印象ちょっとダウン。ははは。
外に出て、迎えに来てもらってたソウル支店のT氏と落ち合う。空港は、場所によってそこはかとないニンニクの香り。韓国ですなあ。
支店長車に3名で乗せてもらってでソウル市内へ向かう。川の対岸の高層アパート群は壮観。ホンダのマークをちょっと横につぶしたようなエンブレムの車がやたらに目につくので聞いてみると、現代自動車、HYUNDAIの頭文字なんだそうだ。なるほど。それにしてもいろんな車種が走っているが、シルエットは、日本車というより、なんだかアメリカの車に似ている。
渋滞にぶちあたって時間を費やしたが、ヒルトンにいったんチェックインしてから、プラプラ歩いて支店まで。支店長に挨拶した後、ローカル含めたマネジャーを全員集めて監査開始宣言、その後、すぐに仕事にかかる。時差は無いとは言うものの、飛行機で移動した後すぐの仕事はちょっと堪える。
ま、しかし仕事は仕事なわけで、まず全預金残高の照合と金庫内の調査、および現物の棚卸と、あまり頭が働かなくてもすむ仕事から片付ける。支店で会計の仕事をしているローカルスタッフは、全員日本語を話せる若い韓国人女性なのだが、近くで話すと、やはりかなり強烈にニンニクの香りがするのが、さすがに韓国ですなあ。というか、日本から到着してすぐで、ニンニクを摂取してないこっちのほうが異邦人なのである。ふむ。
8時過ぎに初日の仕事を終えて、T氏と副支店長のK氏に連れられて、近くに焼肉を食べに外に出る。派手なネオンのハングルばかりの看板が、まったく何なのか分からないというのも、まるでブレードランナーの世界に迷い込んだみたいで、たいへんにシュールでよろしい。
注文は、滞韓通算9年のK副支店長にすべてまかせて、あとは食べるのみ。それにしても、K氏があれこれウエイトレスに注文したり冗談いったりする話が、きれいさっぱり一言もわからないというのも、これまたシュールでよろしい。ま、自分だけで飯食いに出ろと言われたら大変に困るわけだが。ははは。
ゴマ油に塩を混ぜた焼肉のタレ(?)は、シカゴ郊外の韓国焼肉でもおなじみの味だったが、なかなか結構。ビールの後で真露をストレートで飲んで、ちょっといい気分。生で出てきたニンニクも、ちょっとあぶってガリガリ。最後は冷麺で〆。明日はきっと事務所でも、他人のニンニクの匂いが分からないはずである。
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2000/08/06 韓国行きの準備
いつのまにか8月も6日で、明日からソウル出張に出発するのであった。ネットで成田行き京成スカイライナーの時刻表など検索。その後で、韓国関係のサイトを検索して、入出国手続きや、両替や、ソウル市内の交通などについて確認。
監査報告書もむこうでまとめるため、PCを持って行くつもりなのだが、ホテルの部屋にはモデムラインがあるだろうか。いや、その前に、韓国のAC電源のプラグは日本型でOKだろうか。サスコム持って行かないとダメかなあ。モジュラージャックの型式はどうなんだろうか。
アメリカのことなら分かるのに、一番近い隣国についてこれほどまでに知らないというのも、考えてみると恥ずかしい話である。
さっそくネットで調べてみると、電圧、プラグ、モジュラージャックともに、いろんな規格が混在しているようでややこしい。しかし、日本型でも大丈夫なホテルもあるようだ。泊まるのは南大門のヒルトンだから、アメリカ人の客も多かろうし、たぶんOKであろうと推測。
ついでにGricdialを使って、グローバル・ローミングで接続できるかどうか、ソウルのAPに国際電話で接続して確認。オーストラリアの時はエライ目にあったが、こっちの接続のほうは問題なさそうだ。
荷造りのほうは、着替えだけ持って行けばいいので簡単だが、仕事の準備のほうが何もできていない。朝からドロナワで、会社から持ちかえった日韓租税条約改定の資料や、監査事前提出資料などに目を通す。 |