遅い夏休みをとって、ハワイ州、Honoluluに行ってきた。日本からなら外国旅行だが、米本土からだからアメリカ国内旅行。 日本からはパック旅行で気楽に行けるHonoluluだが、アメリカ本土からの機内は当然ながらアメリカ人ばかり。入国審査も何もなく、空港に着いたらレンタカー借りてそのまま走り出せるのは普通のアメリカ国内旅行の感覚。機体はB-777だが、2 Classしかなく、エコノミーのほうでは食事も出ず、必要ならスナックを機内で購入というこれまた米国内仕様。今回は贅沢してFirstを予約。もっとも米国Domestic仕様だから、日本発Firstの3分の1くらいの値段。値段に応じてサービスはダウングレードしており、インターナショナルのビジネス・クラスよりちょっと悪い程度か。 初日にホテルの部屋から見た夕陽。部屋から夕陽を見る利点は、バルコニーでウォッカ・オンザロックスなど飲みつつ眺めることができる点。 ビーチで見る夕陽は、波の音が背景に響いて、ことさらに結構。大西洋もインド洋も見たが、やはり太平洋が一番落ち着く気がする。ハワイアン・アイランダーも日本人も、Pacific Rimの仲間だよなあと。アメリカ西海岸の連中は、仲間という気がしないのが不思議だが。 砂浜に寝転がって空を見上げる。空を見上げるなんて何年ぶりか。高層の薄い雲の動きはなかなか判別できないのだが、低層にある雲は必ずしも一方向に流れてゆくわけではない。まるで波が打ち寄せるごとく、右にスーッと動くと、今度は向きを変えて左にスーッと戻る。それを微妙に繰り返しながら雲は形を変えてゆく。目を閉じて数分して又目を開けると、目に染む空の青さは変わらないのだが、雲の形は驚くほど変わっている。波の音を聞きながら、ただ空を見るだけで何時間も飽きずに。 うってかわって、これは部屋の窓から見える隣の壁。ずいぶん前から紅葉していたが、もうところどころ葉が落ちてきた。 つかの間の熱帯での生活は終り、予定通りのフライトで、こちらに早朝に無事帰着。駐車場から車を出して外気温を見ると摂氏マイナス3度。ハワイ州はDST(夏時間)を採用していないのだそうだが、結局向こうにいた間にサマータイムが終了したことに。場所が違えば気温も違うもんだなと当たり前の感慨を。だんだんと外に出るのが億劫になる気候。体調整えて、明日から仕事復帰。本日はこれでおしまい。 |
Honoluluでは、日本食ばかり。日本からハワイに行って日本飯ばかりも芸がないが、アメリカ本土から行くと、他にたいして食べるものもないからなあ。訪問した日本食を記録のために。 初花 Hilton Hawaiian Village内。日本人客も多いから、朝食から夕食まで手広くやってる店。夜の寿司カウンタに。横で若いアメリカ人一人客が、エラク緊張して、肩に力が入って注文してたのがなんだか興味深い。東京のフレンチ・レストランで、見よう見まねで注文している日本人を見たフランス人は、なんだか同じように感じるのではないかと妙な感慨が。はは。 カウンタ内で相手してくれたのは日本人の職人。韓国系で日本語しゃべる人もいた。まず、刺身盛り合わせなど。マグロやカツオはこの近海で取れた生だとか。カツオは下ろした後の一節を全体に炙ってタタキ状にしてるのだが、脂は薄いものの旨みが濃く、悪くない。マグロも少々水っぽい感あるがヘタな冷凍よりも美味いかもしれない。白身はこの辺で取れるオナガダイ。ミル貝(といっても、いわゆる白ミル)は日本、ウニはCaliforniaからだと。石垣貝なども。日本酒を何杯か飲んだ後で握りに。いわゆる日本の寿司チェインのクラスか。しかし、総じて中西部の日本飯屋よりも寿司種は少しばかりよい気がする。着物来た日本女性のサービスはなかなか丁寧。 鮨好 「Breakers」という、所謂Apartment風、アメリカ人の長期滞在が多いと思われる小規模なホテル。その中庭にプールがあるのだが、そのプールサイドにあるという珍しいロケーションの寿司屋。親方は日本人であるが、プールサイドにある寿司屋はうちくらいじゃないかとのことであった。このホテルは日本の裏千家がオーナーで、奥には茶室もあるという。以前はこの向かいのホテルで営業してたのだが、縁あってこちらに移ってきたのだと。 初回は、プールサイド、オープンエアというロケーションに慣れず、酢の物一品とマグロヅケ丼だけ所望したのだが、マグロは赤身から大トロ部分までバラエティあり、なかなか美味かった。Honolulu最後の夜に再訪。寿司バーカウンタで。 冷酒は久保田の万寿だったか。美味い。プラスチックのワイングラスで供されるのに少々難有りだが、まあ場所柄しかたないか。刺身盛り合わせを所望するに、ヒラメがなかなかよい。ハワイ産の養殖だそうであるが、そう聞かないと分からない。アラスカ産サーモンは日本でもおなじみだが、脂があって結構。アメリカでタコを食って感心したことないのだが、ここのはなぜか悪くなかった。 ハワイで上がるカツオは色変わりが早いとか、カンパチと称する白身もハワイで揚がるが感心しないとか、全般にこの辺は貝がダメなので特上と称する握りが出せないのだとか、寿司種やら産地やら、親方にハワイ寿司事情をあれこれ聞いて実に面白かった。値段も良心的で真っ当な店。また来る機会あれば再訪したい。 ラーメン えぞ菊 降り注ぐ陽光の中で過ごして、お昼にまずキリン生ビールを。これが美味いんだなあ。餃子も美味い。いや、日本の基準からすると、どうということもないのだが、米国中西部系日本飯屋の、単なる肉団子に皮かぶせたみたいなものに慣れてると、ちゃんと野菜の味がして、薄い皮がパリっと焼きあがった餃子には感激する。味噌ラーメンは、スープも濃厚な旨みで結構、やや太めの麺に旨みあり、これまたよかった。まあ、日本から直行して感心するかどうかは別問題だが、ここよりマズい店は日本にも多々ある。しかし、ここより美味いところは、アメリカ本土、特に中西部ではほとんどないだろなあ。。 ラーメンなかむら TVキャスター小倉智明の店との看板あり。なぜかオバハン愛想悪し。「注文は各人6ドル以上で」、「クレジットカードは使えません」、「チップは込みで請求させていただきます」とかの張り紙もあり、店内はややトゲトゲしい雰囲気という気がする。まあ、日本人観光客だらけだから、あれこれ嫌な目にもあったのだろう。この店に限らず、チップに関してハワイの日本飯屋はどこでも大変センシティブ。「最初から含まれております」の表示あり、「含まれておりませんので置いてください」の表示あり、クレジットカードで精算する場合には「含めて計算しますかどうしますか」と聞く店あり。払う習慣の無い日本人観光客と、ずいぶんと慢性的にモメてるんだろうなあ。 ラーメンのほうは味噌を所望。スープには牛骨の出汁が感じられてなかなか美味い。確かに「オックステールラーメン」と表に書いてあった。揚げたニンニクチップが印象的なアクセント。ラーメンマニアではないので細かいことは分からんが、総じてアメリカ中西部のラーメン屋よりもハワイのラーメン屋のほうがずっとよい。日本に近いから、まあ当たり前なのだろうか。 その他ハワイ飯 ハワイ飯は食べてないのだが、有名なABCストアで、これまた名物らしいスパムミートお握りを買った。米軍あるところスパムミートあり。韓国のブテチゲにも入ってたし、沖縄でもたいへんコモンな食材。もちろんアメリカのスーパーにも転がっている。薄切りにして焼いたのを乗せたお握りだが、これがまたなんとも、上品じゃないけど実に美味い。ホテルのバルコニーで海を眺めながら、朝っぱらからビール飲みながら齧るとこれがまた最高。ビールはハイネケンよりも、バドライトあたりが合うでしょうな。 |
暖かい島で、朝から酒飲んで、砂浜で身体を焼いて、のんびりと。心も身体も溶けてゆくのが分かる。 波の音を聞きながら、太平洋に沈む夕陽を見ていると、これから寒い街に帰らなくてはならないのがまるで夢のように思える。 いや、むしろ束の間の休暇こそが夢であり、いずれ我々は必ず現実に戻ってゆかなくてはならない。 こちらに来るフライトで隣になったのは不動産コンサルタントの白人であったが、そんな短期間の滞在など信じられない。少なくとも2週間は滞在しろと勧める。2週間も滞在したらクビになってしまうのであった。 しかし、毎日朝からビール飲んで、昼間はプールサイドでマイタイやらスクリュー・ドライバー、夜は日本飯屋探索で日本酒と、すっかり飲みすぎたが、のんびり過ごせて実によかった。 空港のRed Carpet Clubから更新。ジン・トニックの後、白ワインなど飲みながら。飛行機に乗ったら、あとはシャンペン飲んで寝て帰るだけだ。あと1時間弱で、摂氏30度の海辺から、摂氏マイナス2度の街へのフライト。 Vacation ends for everybody. |