本日から、Thanksgivingでアメリカも4連休。実家に戻って休日を過ごすアメリカ人が多いようだ。そういえば日本も何かの祝日だったっけ。 せっかくの連休だし、こちらにいても寒いだけでしかたない。西海岸でもブラブラするかとフライトを予約。空港の混雑を予想して早めに出たが、駐車場は空いてるし、セキュリティも意外に順調。すでに今週の頭からお休み取ってる人もいるし、混雑も平準化されているのかも。 仕事の移動が少ないからか、Red Carpet Clubなどは、逆に普段よりずっと空いている。ソファーに座ってネット接続など。エアラインクラブにほとんどワイヤレスLANが導入されたし、昔と比べるとAC電源のアウトレットがあちこちに増設され、PCユーザにはなかなか便利になった。 アメリカ人は、ムヤミに大きなPCを持ち歩いてる連中が多く、私のVAIO T-71なんてのは、まるで玩具のごとくに思えるほど。まあ、連中は身体もデカイし、車社会で、徒歩の移動などほとんどないから、PCが多少大きくとも不便はない。逆に膝の上に乗せて作業しようとすると、意外に大きなPCのほうが安定よいんだよなあ。などとどうてもよいことをつらつらと。搭乗までまだもう少し。 |
Thanksgivingのお休みを利用してLAに。Unitedの、ホテル、レンタカー付きの格安チケット。南のほうは何度か訪れたことがあるので、今回は、Santa Monica、Marina Del Rey、Hallywoodなどをブラブラ。 Santa Monicaの海岸に沈む夕日は、そのまま太平洋のかなたに、スポンと沈んで行く。ダウンタウンのショッピングプロムナードも実に小奇麗なところ。もっとも、元はスラム化した危険な地区を大々的に再開発したのだそうで、大通りを外れると、やはりほんのかすかに危なそうな雰囲気が残っているようにも感じるのだが。 LAXのHertzでレンタカーをピックアップ。いつも仕事で使うのはAvisなので、だいぶ感じが違う。エコノミー・カーを予約してたのだが、車が余ってるのか、係のオッサンは、1日20ドル追加したらラグジュラリーカーにアップグレイドすると言う。まあ、それもよいかと変更。来た車は真っ赤な2ドアスポーツの350Z。日本で言うフェアレディZ。 せっかくなので、Mulholland Dr.の山道を乗り回したりしたが、なかなか面白かった。「マルホランド ドライブ」は、同名のデビッド・リンチ監督の映画でも有名だが、ハリウッドやビバリーヒルズを見下ろす山の上を走る道路。 その昔、「マルホランド・ラン」という名前で公開された映画があった。毎週末、この道路を改造車で走り、誰が一番早いかを競う若者達の群像を描いた作品。低予算B級ながら、デニス・ホッパーが好演して、青春の焦燥と蹉跌を描いたなかなか印象的な作品だった。IMDbで調べると、原題は、「King of the Mountain」。掲載されているオープニングのモノローグは、今でも記憶に残っている。 23 miles of Mulholland, slicing Los Angeles like a knife... it's like a trip in time. Sometimes I just can't wait for night. You see too much in the sunshine. Road's changin'... civilization's choking it. At night, the straightaways are shorter... turns sharper... the drop steeper. It's the only place I ever felt safe. Clear, clean... and fast. Freedom. I wonder who it'll be tonight? I hope he's fast. この山道の両側には、お金持ちの邸宅が並んでいる。もちろん道にすぐ隣接しているのではなく、中は窺えない。デビッド・リンチの映画に出てきた監督の邸宅のようなのが、門の中にはあるのだろう。そういえば、「チャーリーズ・エンジェル」やらデ・パルマの「ボディ・ダブル」などでも、ハリウッドやビバリー・ヒルズを見下ろすこの山の豪邸が舞台になっていた。そんなことを思い出しながら車を走らせると、すれ違う車はポルシェやらベンツ、BMWなど高級車ばかり。パトカーにも2度くらい出くわして、やはり金持ちが住んでるんだなあと納得。 Mulholland Dr.に走り飽きたら、山を降りてビバリー・ヒルズなどを流してみる。ここも豪壮な門構えで、外からは中の様子が伺えない大豪邸ばかり。まあ中は映画に出てくるように、大理石の彫像があったり噴水があったりする大豪邸なのだろう。どんな人間が住んでるのだろうか。もっとも日本人なら、いくら金があったとしても、ここに住んで楽しいとは思えない。見るだけに留めておいたほうが賢明な、所詮異国の夢のような生活。そう、それはまるで、映画館の暗闇で、ほんの一瞬だけ浮かび上がるハリウッド映画のイルージョンそのものだ。 |
マルホランド・ドライブが出てくる歌のことを教えていただいたり、「マルホランド・ラン」なんてマイナーな映画を、ちゃんと覚えておられる方がおられたりして、一昨日の日記の反響がなかなか面白かった。やはり有名な道なんだなあ。 「マルホランド・ラン」。映画のオープニングは確か、夜のMulholland Dr.をどちらが早いか競う改造車の俯瞰映像から始まるのではなかったか。そして、一昨日引用した主人公のモノローグ。車を警察のヘリが上空から追い、やがて車は止まる、そんな冒頭だったと記憶しているのだが。なんでDVD出てないのか。一昨日も引用した冒頭のモノローグを試訳してみた。 23 miles of Mulholland, slicing Los Angeles like a knife... it's like a trip in time. Sometimes I just can't wait for night. You see too much in the sunshine. Road's changin'... civilization's choking it. At night, the straightaways are shorter... turns sharper... the drop steeper. It's the only place I ever felt safe. Clear, clean... and fast. Freedom. I wonder who it'll be tonight? I hope he's fast.まあ、しかし、あの道を、夜に速度を上げて走ると実に怖いと思うな。ちょっと思い出したのは、懐かしい故郷神戸の裏山、六甲山系のドライブウェイ。あそこも、時折谷底に車が落ちてたりしたのである。 LAを見下ろす山道の闇の中を、改造車で命を賭けて競争する。青春の焦燥が憑依したようなこの主人公が語るこのセリフは、ウィリアム・ギブソンの短編、「冬のマーケット」に描かれた<眠りの王たち>に出てくる疾走感さえ懐かしく思い出させるのだった。 |